コンピュータネットワークの構築 #
ここでは、コンピュータネットワークの構築方法について説明します。
コンピュータネットワークとは? #
コンピュータネットワーク1は、コンピュータ同士の資源を共有するために作られたネットワーク
のことです。
コンピュータは、デジタル相互接続を介して共通の通信プロトコルを使用して相互に通信します。これらの相互接続は、さまざまなネットワークトポロジに配置できる物理的に配線、光、および無線周波数方式に基づく通信ネットワーク技術で構成されています。
何のために構築するのか? #
コンピュータネットワークを構成する目的は多種多様ですが、身近なものとしては次のようなものがあります。
- 2台のPCを繋いで、ファイルの受け渡しをする
- 会社内にNASやプリンターを置いて、社員で共有する
- スマートフォンの画像をクラウド上にアップロードする
大規模な業務用またはコンシューマ向けのアプリケーションの利用には、次のようなものがあります。
- クライアント・サーバー型の業務システムを利用する
- クラウド型の業務システムを利用する
何を構築すればいいのか? #
実際にコンピュータネットワークを構築するためには、どのような目的で構築するのかにより構築する内容が変わります。 複数のコンピュータがネットワーク上にありますので、ネットワークの構築、サーバの構築、クライアントの設置など多くの作業が必要です
例:家庭内インターネット接続環境
- インターネット
- LAN
- ネットワークハブ設置
- MACアドレス確認
- LANケーブル敷設
- インターネット接続端末
- IPアドレス設定(IP自動割り当てが便利です)
例:会社内インターネット接続環境 + 業務システム
- インターネット
- ONU設置
- ルーター設定
- IPアドレス帯を設定
- プロバイダ設定情報の登録
- LAN
- ネットワークハブ設置
- MACアドレス確認
- LANケーブル敷設
- サーバ
- サーバーコンピュータ設置
- サーバアプリケーションのインストール・設定
- ポート設定
- IPアドレス
- 固定にする必要があります
- クライアント
- クライアント端末設置
- クライアントアプリケーションのインストール・設定
- IPアドレス
- 自動採番が便利ですが、セキュリティ要件により固定にしたりMacアドレスを指定する場合もあります
業務システムのシステム構成 #
業務システムのシステム構成は次のいずれかに該当します。
- クライアント・サーバー型
- クラウド型
クライアント・サーバ型は、複数のサーバと複数のクライアントから成る分散型のシステムです。インターネットへの接続は限定的で、主にLAN内で構築されるシステムで採用される形式です。
クラウド型は、中央集権型のシステムです。常時インターネット接続を前提とし、外形上システムの主な機能はクライアントから見て1つのサーバで管理し、複数のクライアントから成ります。ただ、クライアントから見えないところで、実際は分散型のシステムが構築されています。
クライアント・サーバー型システムの構築 #
クライアント・サーバーシステムの構築方法について説明します。
サーバは固定IPで設定する #
クライアント・サーバーシステムにおいて、サーバは固定IPで設定しましょう。 なぜなら、各クライアントはサーバのIPアドレスを知る必要があるからです。
逆に、クライアントはネットワーク内でサービスを受ける側であり、他のコンピュータから特定される必要がありません。そのため、IPアドレスは自動で割り振られる設定にしておいた方が、管理が楽です。ただし、導入先にセキュリティポリシーがある場合には、そちらに従うようにしましょう。
次の図は、クライアント・サーバシステムの構成です。 ルーターとサーバは固定IPが指定されています。クライアントは自動IPが設定されています。
このようにすると、クライアントアプリケーションはサーバのIPとポートを指定してサーバと通信することができます。例えば、DBサーバのIPが固定であれば、クライアントはそのIPとポートを指定することで、DBにアクセスできます。
サーバが2台、複数台のクライアントからなるシステムについて構成イメージ: